

カーリング・カップ3回戦がストーク・シティのホーム、ブリタニアスタジアムでおこわなれた。
試合はスコアレスでのまま延長へ。120分を終えて決め手に欠いた両チームの運命はPKに委ねられた。その結果ホームチームのストークが次のステージへと駒を進めた。
両チームのスターティングメンバーは以下の通り。
トッテナム・ホットスパー:ゴメス、チョルルカ、カブール、バソング、アスエコト、キャロル、リバモア、サンドロ、ジオバニ、ファンデルファールト、パブリュチェンコ
控え:クディチーニ、タウンゼント、ルオンゴ、セバージョス、ファルケ、ケイン、デフォー
ストーク・シティ:ソーレンセン、ショットン、フート、アプソン、ウィルソン、ペナント、パラシオス、ウィーラン、エザリントン、ジェローメ、ジョーンズ
控え:ナッシュ、ウィルキンソン、ピュー、ディアオ、ウォルタース、デラップ、クラウチ
(引用:Spurs Japan)
この試合は放送媒体がかなり限られたこともあり、観戦できなかったため、内容にはごく簡単に触れるのみにしたい。
スパーズはいわば1.5軍のような布陣で、トップチームのレギュラークラスと普段出場機会のない若手の混合チームだった。一方のストークは、大体がリーグ戦でもよくみる顔ぶれでこの試合に臨んだ。
この試合にあまり関心のなさそうだった現地のメディアによるど、スパーズの若手ではリバモアやキャロルがまずまずの働きを見せた模様。一方のストークサイドはジョーンズが怪我で交代したという程度。(調べてないので恐縮)
ただこの結果を受けて、ストークファンは大喜びとまではいえないかもしれない。今シーズンかなりの補強を行ったとはいえ、リーグカップ、FAカップ、ヨーロッパ・リーグ、そしてプレミアリーグという4つのコンペティションを戦うにはまだ選手層の厚さは充分ではない。どこまで勝ち進むかにもよるが、過密スケジュールは必ずシーズンのどこさで、いろんな形となってチームを苦しめる。特に中堅クラブには頭の痛い話だ。問題の性質はやや異なるが、昨シーズンのバーミンガムの例はチームが幾つかのコンペティションを並行して闘うことの難しさを示している。
同じことはもちろんスパーズにも当てはまる。こちらも4つの大会を抱える身であったが、今回の結果で抱える荷物は一つ降ろされたといえる。おそらく多くのスパーズファンはこの敗戦に悩まされて眠れなかったということにはならなかっただろうし、むしろ「これでチームの負担が減った。今年はリーグ戦で4位を取ることだけを気にかけたらいい」という意見もあるかもしれない。
だがそれはあくまでシーズンを通しての考え方の一つであって、なぜこの試合に負けたのか、もう少しいえばなぜスパーズがPK戦で勝てないのかを説明するものではない。
ここに驚くべきデータがある。Talk Sportのデータによれば、スパーズはPK戦においてもう18年勝利がないという。最後にファンがPK戦での勝利を目撃したのは1996年のFA杯ピーターバラ戦である。以下はその後の失態の履歴だ。
1996年 FA CUP 5th ROUND, , LOST 1-3 TO Nottingham Forest
1-1でアウェイを終えたスパーズは本拠地でも決着がつかず。PK戦にもつれこみ、テディ・シェリンガムのキックがキーパーせにセーブされたことでこの18年続く「偉業」がスタートした。
2003年 CARLING CUP 5th ROUND, , LOST 4-5 TO Middlesbrough
2004年 CARLING CUP QUARTER FINAL, LOST 3-4 TO Liverpool
2008年 UEFA CUP LAST 16, , LOST 6-5 TO PSV
2009年 CARLING CUP FINAL, , LOST 4-1 TO Manchester United
そして今回の敗戦がその不名誉な歴史に名を刻んだ。もしこの記録に漏れが無ければ、スパーズというのはPKに非常に弱いチームに見える。だがそれは決してクラブのDNAとか伝統とかの類のものではない。18年間リーグ戦で1回も勝てないというのと、18年間の間にわずか5回のみ行われたPK戦で勝利がないのとでは確立的に全く違うし、何より1996年のチームと現在のチームでは選手も違えば監督も違う。これらの敗戦の中に何か共通点を見出すのはあまり適切ではないだろう。5回連続PKで敗れる確立というのはあまり高くはないとはいえ、ありえないことでもない。
だがもし、スパーズがカップ戦でひとつでも駒を進めたいと真剣に思うのなら、PKのトレーニングや対戦相手の分析をすることを薦めたい。カップ戦での勝利の確立が飛躍的に向上するわけではないが、いくらかは上昇するだろう。それにその分の手間はそれほどかからないはずだ。例えば、ジャーメイン・ペナントがどちらのサイドにPKを蹴るのかを調べるのはなかなか大変だろう。過去のデータを見ようにもそれほど多くのPKを蹴っているようには思えないからだ。だが、セーレンセンがPKでどちらのサイドに飛びやすいのか、あるいはどのコースだとセーブする確率が低いのかを調べるのにはそれほど多くの時間がかかるとは思えない。

ファンの心理というのは得てしてPKを外すもの、PKを止められなかったものに勝敗の原因を求めたがる。もちろんPKの成功率やストップ率の高い選手は存在するが、チームから何人もの選手がPKを蹴らざるを得ない状況ではそれほど自信のない選手もPKキッカーのリストに名を連ねなくてはならない。こうした場合にデータや直前の練習というのは選手を支える要素になりうる。それがすべてではないが、一部ではある。こうした努力の積み重ねが長い目でも見れば役にたつはずだ。リーグ戦でもやたらPKを外す選手の多いスパーズにとって、この試合の教訓はゴメスを叩くことではく、そういった努力の少なからぬ必要性を意識するということでなくてはならないはずだ。
トッテナム・ホットスパー:ゴメス、チョルルカ、カブール、バソング、アスエコト、キャロル、リバモア、サンドロ、ジオバニ、ファンデルファールト、パブリュチェンコ
控え:クディチーニ、タウンゼント、ルオンゴ、セバージョス、ファルケ、ケイン、デフォー
ストーク・シティ:ソーレンセン、ショットン、フート、アプソン、ウィルソン、ペナント、パラシオス、ウィーラン、エザリントン、ジェローメ、ジョーンズ
控え:ナッシュ、ウィルキンソン、ピュー、ディアオ、ウォルタース、デラップ、クラウチ
(引用:Spurs Japan)
この試合は放送媒体がかなり限られたこともあり、観戦できなかったため、内容にはごく簡単に触れるのみにしたい。
スパーズはいわば1.5軍のような布陣で、トップチームのレギュラークラスと普段出場機会のない若手の混合チームだった。一方のストークは、大体がリーグ戦でもよくみる顔ぶれでこの試合に臨んだ。
この試合にあまり関心のなさそうだった現地のメディアによるど、スパーズの若手ではリバモアやキャロルがまずまずの働きを見せた模様。一方のストークサイドはジョーンズが怪我で交代したという程度。(調べてないので恐縮)
ただこの結果を受けて、ストークファンは大喜びとまではいえないかもしれない。今シーズンかなりの補強を行ったとはいえ、リーグカップ、FAカップ、ヨーロッパ・リーグ、そしてプレミアリーグという4つのコンペティションを戦うにはまだ選手層の厚さは充分ではない。どこまで勝ち進むかにもよるが、過密スケジュールは必ずシーズンのどこさで、いろんな形となってチームを苦しめる。特に中堅クラブには頭の痛い話だ。問題の性質はやや異なるが、昨シーズンのバーミンガムの例はチームが幾つかのコンペティションを並行して闘うことの難しさを示している。
同じことはもちろんスパーズにも当てはまる。こちらも4つの大会を抱える身であったが、今回の結果で抱える荷物は一つ降ろされたといえる。おそらく多くのスパーズファンはこの敗戦に悩まされて眠れなかったということにはならなかっただろうし、むしろ「これでチームの負担が減った。今年はリーグ戦で4位を取ることだけを気にかけたらいい」という意見もあるかもしれない。
だがそれはあくまでシーズンを通しての考え方の一つであって、なぜこの試合に負けたのか、もう少しいえばなぜスパーズがPK戦で勝てないのかを説明するものではない。
ここに驚くべきデータがある。Talk Sportのデータによれば、スパーズはPK戦においてもう18年勝利がないという。最後にファンがPK戦での勝利を目撃したのは1996年のFA杯ピーターバラ戦である。以下はその後の失態の履歴だ。
1996年 FA CUP 5th ROUND, , LOST 1-3 TO Nottingham Forest
1-1でアウェイを終えたスパーズは本拠地でも決着がつかず。PK戦にもつれこみ、テディ・シェリンガムのキックがキーパーせにセーブされたことでこの18年続く「偉業」がスタートした。
2003年 CARLING CUP 5th ROUND, , LOST 4-5 TO Middlesbrough
2004年 CARLING CUP QUARTER FINAL, LOST 3-4 TO Liverpool
2008年 UEFA CUP LAST 16, , LOST 6-5 TO PSV
2009年 CARLING CUP FINAL, , LOST 4-1 TO Manchester United
そして今回の敗戦がその不名誉な歴史に名を刻んだ。もしこの記録に漏れが無ければ、スパーズというのはPKに非常に弱いチームに見える。だがそれは決してクラブのDNAとか伝統とかの類のものではない。18年間リーグ戦で1回も勝てないというのと、18年間の間にわずか5回のみ行われたPK戦で勝利がないのとでは確立的に全く違うし、何より1996年のチームと現在のチームでは選手も違えば監督も違う。これらの敗戦の中に何か共通点を見出すのはあまり適切ではないだろう。5回連続PKで敗れる確立というのはあまり高くはないとはいえ、ありえないことでもない。
だがもし、スパーズがカップ戦でひとつでも駒を進めたいと真剣に思うのなら、PKのトレーニングや対戦相手の分析をすることを薦めたい。カップ戦での勝利の確立が飛躍的に向上するわけではないが、いくらかは上昇するだろう。それにその分の手間はそれほどかからないはずだ。例えば、ジャーメイン・ペナントがどちらのサイドにPKを蹴るのかを調べるのはなかなか大変だろう。過去のデータを見ようにもそれほど多くのPKを蹴っているようには思えないからだ。だが、セーレンセンがPKでどちらのサイドに飛びやすいのか、あるいはどのコースだとセーブする確率が低いのかを調べるのにはそれほど多くの時間がかかるとは思えない。

ファンの心理というのは得てしてPKを外すもの、PKを止められなかったものに勝敗の原因を求めたがる。もちろんPKの成功率やストップ率の高い選手は存在するが、チームから何人もの選手がPKを蹴らざるを得ない状況ではそれほど自信のない選手もPKキッカーのリストに名を連ねなくてはならない。こうした場合にデータや直前の練習というのは選手を支える要素になりうる。それがすべてではないが、一部ではある。こうした努力の積み重ねが長い目でも見れば役にたつはずだ。リーグ戦でもやたらPKを外す選手の多いスパーズにとって、この試合の教訓はゴメスを叩くことではく、そういった努力の少なからぬ必要性を意識するということでなくてはならないはずだ。
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